愛の雫

放課後、さっさと帰り支度を済ませたあたしは、絵里香と一緒に教室を出た。


「ねぇ、これから買い物でも行かない?」


「あたし、バイトなんだ」


「えっ?今日も?」


「うん。どうせ暇だからって思って、今月は結構詰めてるんだよね」


「ふぅ〜ん……。何かつまんない……」


「ごめんね」


絵里香は唇を尖らせた後、あたしに向けていた視線を前に遣った。


その直後、彼女が足を止めて口を開いた。


「あの人、誰か待ってるのかな?」