愛の雫

凪兄があまりにも真剣な顔をして言うから、何だか少しだけ罪悪感が芽生えてしまう。


だけど…


その気持ちを上手く処理する事が出来ないあたしは、彼から視線を逸らしながら口を開いた。


「父親じゃないんだから、そんなに過保護にしなくても大丈夫だし……」


「それでも心配なんだよ」


「ふ〜ん……」


「それより早く帰ろう。今日は寒いし、こんな所で話してたら風邪引くかもしれないから」


歩き出した凪兄に釣られるように、彼の後をゆっくりと追った。