愛の雫

「はぁ……」


二人きりになった部屋に、早苗の大きなため息が響いた。


「早苗、緊張し過ぎだって!面接なんてすぐに終わるよ!」


「うん……」


「あたしも一緒だし、そんなに緊張する事ないじゃん!」


明るく言うと、早苗は眉を寄せながら小さく笑った。


「そうだよね!希咲と一緒にバイトしたいし、頑張るよ!」


だけど、やっぱり緊張は解けなかったみたい。


いつもよりも口数が少ない早苗の表情は、心無しか強張っている気がした。