愛の雫

「今、お客さんに出すピザ焼いてるみたいだから、ちょっとだけ待っててくれるかな？」


あたし達が頷くと、スタッフ専用の控室に通してくれた。


「ごめんね、この時間は人手が足りなくて……。たぶん５分も掛からないと思うから、ここで待ってて。面接、頑張ってね♪」


「はい」


「あっ、ありがとうございます！」


少しだけ緊張しながら返事をしたあたしに続いて、早苗が慌てたようにお礼を言った。


女の人は優しい笑みを浮かべながら手を振ると、控室から出て行った。