愛の雫

「希咲!」


待ち合わせ場所の本屋に着くと、数分もしないうちに早苗に声を掛けられた。


「待った?」


「ううん、あたしも今来たとこだから」


「そっか!じゃあ、雑誌だけ買ってもイイ?」


「うん、いつもの?」


「そうそう!」


あたしが訊くと、早苗は笑顔で頷いて雑誌を手に取った。


「面接、ちょっと緊張するんだけど……」


「早苗はバイト初めてだもんね」


あたし達は本屋を後にして、カラオケボックスに向かった。