愛の雫

「アンタが作った物なんて食べる訳ないじゃん!いつも言ってるのに、まだわからないの?」


皮肉を込めて言うと、陽子さんが眉を歪めた。


それでも必死で笑おうとしているみたいだけど、明らかに悲しそうにしか見えない。


その表情が、あたしの苛立ちを増幅させた。


勝手に余計な事をしたくせに傷付く陽子さんが、随分と身勝手に思えてしまって…


「あのさぁ、そういう顔しないでくれる?ウザイから!」


ため息混じりに言い放った後、足早に階段を降りた。