「キャプテン……」

 原西が思い詰めた表情で口を開く。


「なんだ?」


「明日から部活のあとにここで投球練習してもいいですか?」


「おれはかまわんが……」

 おれが視線を向けると水原が2回頷いた。


「OKだそうだ」

 なんでおれが返事を伝達しなければいけないんだ?という疑問もあったが、砂を撒き散らす潮風が野球部に新しい風を吹き込んでくれそうで気分は悪くなかった。