「あれが“コンドラ”か?」
「犬を散歩させているとき偶然見つけました」
水原はそのドラム缶に近づくと、中からゴムのホームベース、網に入った硬球、ピンクの粉で膨らんだ透明なビニール袋を取り出した。
ドラム缶の側面に長方形の穴が開けられ、切り口はガムテープで手を切らないように補強してある。
「そのドラム缶の穴はストライクゾーンの大きさに開けたのか?」
水原は頷き、慎重に動かしながらホームベースを半分手前に残して、ドラム缶を重ねるようにして置く。
そして、ビニール袋を持ちながら下を向いて歩き始め、足で砂を払ったところにプレートが埋め込まれていた。



