「そのかわり家の近くの空き地で“コンドラ”に向かって投げてます」 「コンドラ?」 「“コントロールつけるぞ!ドラム缶”を略して“コンドラ”って呼んでます」 「それじゃぁ、試合で投げた経験ないのか?」 「ない、ない」と言って水原は首を縦に振る。 自慢することじゃないだろとツッコミたいところだが、結果的に抑えられてしまったおれたちの立場はない。 「そのコンドラってやつでコントロールがつくのか?」 制球力に難がある原西にとって“コントロールつけるぞ!ドラム缶”は興味が湧いたようだ。