「確かにスタミナには問題がありそうだな。でも、どうしてエース番号の1が嫌なんだ?」 「一桁の数字が背中にあると気持ち悪くって……釣り合った数字の11番がほしいです」 質問に驚くべき答えを出され、おれの目は点になる。 1番をつけることを遠慮してるのかと思ったが、水原の神経質は人知を超えている。 「わかった。11番をつけろ。水原は先発、原西はリリーフだ。夏の大会はそれでいこう」 「はい」 「はい」 2人から心地良い返事をもらい、おれは胸をなで下ろす。