「柳沢、おまえもそんなこと言えないだろ」 おれは柳沢の言葉を見過ごせなかった。 険しい顔をしていたからなのか、柳沢は言い返してこない。 ほとんどが三球三振では立場がなく、このままだと水原になにも言えなくなってしまう。 最後は原西。 エースの座を守れるかの瀬戸際だ。 他の連中より必死にバットに当てようとするだろう。 「おい、原西。意地見せてみろ」 ゴリがマスクを取って声をかける。