「野球部に入りたいんですけど……」 その男子は上目遣いをしてから恥ずかしそうに視線を逸らす。 目が細く、鼻や口も小さくて無駄な主張をしていないから品の良い顔立ちをしている。 「マネージャーをやりたいのか?」 おれにはどうしてもスポーツをやるタイプには見えなかった。 「ううん」とそいつは首を横に振った。 女のようなその仕種が媚びている感じがして追い返そうと思ったが、部員が足りていないという事実が気持ちとは違う言葉を出す。