「水原、先に帰るからな」 「先輩、お疲れさまでした」 三浦と原西が去ると、部室はおれと水原だけになった。 「キャプテン、お腹空いてません?」 「空いたな」と同意しておれは笑顔を見せる。 水原がなにをするか先が読めたからだ。 「はい」と手渡してきたのは共南との試合前に食べた水原の主食であるバトンクッキー。 「サンキュー」 おれと水原がバトンクッキーを食べるサクサクッという音だけが部室に響く。