バトンクッキー



「おい、練習終るぞぉ~」

 ゴリがおれたちに声をかけ、引き上げる。


 原西は少しうらやましそうな顔をしてこっちを見ていたが、ゴリが肩を組んで、おれが相手してやっただろう的な抱擁で笑顔にさせた。


 ゴリはノッカーだけでなく、バッティングピッチャーまで買って出る熱の入れようで、最後まで練習に付き合った。


 満足な練習をするにはまだまだ部員は足りないのだから、原西も感謝しているはず。


 三浦も甲子園の第3試合を見終わったところで駆けつけ、外野で球拾いをしたり、水原がスクリューを練習していることに気づくと「新しい球種を覚えることによって、いままでのフォームが崩れないようにしてくださいと」と、チクリと釘を刺すことを忘れなかった。