「人差し指と中指を添えてボールを弾きながら手首を外側に捻って回転させるようにして投げるんだ」 「はい」 疲れているはずだが、水原はスイッチが入ったように黙々と投げ続けた。 「腕の振りはストレートのままだぞ」 「はい」 「いまのどうですか?」 「かなり落ちた」 夕方になり、おれは私服のままキャッチャーミットを構えて水原の球を受け続けていた。