原西がホッとした表情をしたのもつかの間、ゴリが会話に割り込み、火に油を注ぐようなことを言った。
「面白そうじゃん。水原対うちの打線で勝負しようぜ。退屈しのぎにちょうどいいし、もし水原が使えるならピッチャーが2人いてもいいじゃん。1人のピッチャーに頼るのは流行らないぜ」
キャッチャーとしてゴリの発言は的を射ているが、バッテリーを組んできた原西は裏切られたと感じるだろう。
「昨日のフリーより面白そうだな」
「メッタ打ちにしてやるぜ」
「覚悟しろよ、1年坊主」
他のチームメイトもやる気満々。
さぁ、どうしたものかと、おれは水原と原西の顔を見比べた。



