バトンクッキー



「まさか」と言って原西は笑う。


「水原は?」


「最近は下半身を鍛えるために走ってばかりいるんですよ。さっきもランニングしてきたばかりで、あそこで休ませてます」

 原西が示す方向を見ると、ライトフェンス際の木陰で、ぐったり倒れている水原がいた。


「毎日どれくらい走ってるんだ?」


「ぶっ倒れるまで走ってますよ」


「おまえは先発の座を諦めたのか?」

 おれは少し意地悪な質問をしてみる。