いまの正直な気持ちを吐露するしかないか……。
「みんな、よくがんばったと思う。しかし、負けたからには必ず原因がある。おれたちは本気で勝とうと練習したのが遅かったんだ。去年から、いやもっと前からまともに練習していればこんなに悔しい思いをすることはなかった」
おれはひと呼吸おいてから続けた。
「“明日”ではなく“今日”、“後”ではなく“今”やるべきことに真剣に取り組むんだ。野球の結果に偶然はないと思う」
説教っぽくなってしまったが、後輩たちにまた同じ過ちを起こさせたくないと思うと、口から次々と言葉が出てきてしまった。
「は、はい」
「はい」
「は……い」
ちらほらと返事が返ってくる。