ここまできたら審判に怒られたって構わない。 できるだけゆっくりと丁寧に靴紐を結ぶ。 いくらか時間は稼げただろうか? ユニフォームの膝についた土を払ってから「ありがとうございました」と帽子を取って頭を下げる。 水原のほうを見ると、ニコッと笑いながら帽子のツバを掴んで感謝の気持ちを伝えてきた。 そして、9番セカンド森内を引き締まった表情で見詰める。 最後の打者にしなきゃ!という闘志を感じる。 気持ちの切り替えが早い。