「お菓子しか食べないから……」 「なんだって?」 ゴリが訊き返す。 昨日スクールバッグを覗いたときにお菓子を目にしていたおれはゴリほどの驚きはない。 「もう少しちゃんとしたものガッツリ食べないと部活中に倒れるぞ」 おれは水原のやせ細った体を下から上へ視線を移動させながら注意した。 「はい」 水原は深く一礼して去っていく。 「面白い奴だな」 ゴリは呑気な感想を口にした。