完全に裏をかかれた。 しかもスイングは止まらず、体勢を崩しての空振り三振。 これがおれの高校生活最後の打席になってしまうのか? 中途半端なスイングで終わってしまった打席に悔やみながらベンチに戻る。 水原を援護してやれなかった。 おれはうつむいてベンチへ。 「キャプテン……」と言って三浦が指をさした方向を見ると、ナインはまだ守備に就いてなくて、おれにひと声かけられるのを待っていた。