「キャプテン、ナイス!」 「よくわかりましたね」 ピンチを凌いだ手柄を独り占めした気がして、喜びは苦笑い程度に抑えた。 「まだまだこれからだ」 「とにかく塁に出ようぜ」 「太田頼むぞ!」 「任せなさい!」 自然と士気が高まり、ムードがいい。一方の共南ナインは足取り重く守備に就く。 しかし、この6回裏の攻防がおれたちを後々窮地に追い込むなんて、予想もしなかった。