次は7番箕輪。 なにか仕掛けてくるとすれば……。 おれは三浦から出た配球のサインとは別に、耳たぶを2本の指で挟むという簡単なサインを送った。 水原はゴリのサインを覗き込み、間を置いてから2塁へ入ったおれに牽制球を投げる。 「おっと」 それほどリードを取っていなかった加瀬が慌てて戻る。 念のためにタッチして判定はセーフ。 水原にボールを返したあと、おれはさり気なくサインを出す。