水原のうしろ姿は、無人島で一人取り残された子供のように見えた。 7番箕輪の1球目と2球目は投げた瞬間、明らかにボールとわかる球。 水原は下を向く。 もう限界なのか? 体力的にはまだまだイケるだろうが、精神的な落ち込みは想像以上なのかもしれない。 おれがもう一度マウンドに行こうか悩んでいると、水原は足元をならし、プレートの上をグローブで掃いた。 気持ちを立て直そうと自分で努力している。 がんばれ、水原!