「いや、おれのサインミスだ。色気を出してインコースで詰まらせて1球で仕留めようとしたのがいけなかったんだ」
ゴリも責任を被ったが、水原は上の空だ。
「過ぎてしまったことはしょうがない。1点取られただけだ。気にするな」
もっといろんなことを伝えたかったが、口から出てきたのはお決まりの励まし。
「はい」と返事をした水原は肩を落としたまま。
審判がやってきて「もういいかな?」と試合の進行を急かす。
1回目のタイムのほうが長かったじゃないか!という審判への不満を胸の中に収め、マウンドから離れた。
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