消極的になり、頭の中がエラーしてしまっては良い結果なんて望めない。
「ゴリ、初球はストライクを取りにいくんだ。バントするなら、させればいい。守備は水原が投げると同時に前進しろ。2球目以降はおれがサインを出す」
マウンドに集まった内野手におれが指示すると、ゴリ以外の全員が頷く。
「ジマ、2塁に送られたらワンヒットで点数が入ってしまうぞ」
ゴリはわかりきったことを言ってくる。
「ここで怖いのは渡辺に長打を打たれることだ。後ろの打者はそんなに怖くない。1点くらいプレゼントしてもいいという初回の余裕のあるサインを出した落ち着きはどこへいったんだ?」



