バトンクッキー



 速球が130キロ中盤でもコントロールと角度があれば通用する。


 水原が6番ショートの湯上谷に2球続けてアストコース低目に投げたが、目で追いかけてからスイングをするので、かなり振り遅れてしまっている。


 三球目、ゴリからのサインは真ん中高目のボールになる球。


 水原はすぐに頷いて投げた。


 ズバッとボールがミットにおさまってから湯上谷は空振り。


 ノーアウト満塁のピンチを水原は三者三振で切り抜けた。


「やった!」

 思わずガッツポーズが出た。


 これで波に乗れる。