水原は振り向いて「はい」と返事をする。 あとアウトひとつ。 初回をなんとか乗り切れば、水原もリズムを掴んで調子も上がってくるはず。 6番ショートの湯上谷は背番号15をつけている。 春季大会のときは右投げ左打ちのやつがショートを守っていた。 左投手対策として先発に起用されたのかもしれない。 左投手を左打者が打ちにくいというのは事実だと思う。 ボールの見極めが難しく、水原がサイドスローから投げた場合、背中から急に球が現れる錯覚を起こす。