バトンクッキー



 力で抑えたのは大きい。


 5番センターの渡辺は春季大会で4番を打っていた。


 クセのない構えで、流したり、引っ張ったり、素直に打ち返えせるタイプ。


 加瀬より穴がなく要注意だ。


 水原は1塁へ投げる格好をしてから3塁に牽制した。


 満塁だとスクイズはやりにくいが、牽制球を投げてランナーの様子を見るのは正解だ。


 ワンアウトを取って余裕が出てきたのかもしれない。


 ランナーの動きに怪しいところはなく、スクイズはないように思える。