三浦は背番号をつけてベンチに座るだけでも満足だったかもしれない。 公式戦用のユニフォームを渡したとき、三浦は背番号「9」をずっと見ていた。 「ぼくは10番でも良かったのに……」 三浦が遠慮がちにそんな言葉をもらした。 水原が11番をつけるので、あまった番号は9と10。 野球部に入ってきた順番を考慮すると必然的に9番が三浦になるわけだが、一桁の番号をもらえて考え深げな様子だった。 おれはネクストバッターズサークルに入り、2番太田を見守る。