「変なことお願いしてごめん」 『追いかけられたときは焦ったよ』 「ごめん、助かったよ」 『ここまでしてやったんだから1回戦くらいは勝てよ』 「がんばるよ」 ケータイを切ったあと、もう少し力強い言葉で約束をすればよかったと思う。 ヒロ兄の優しさにつけこんで幽霊にまでなってもらった恩は返さないといけないが、心のどこかにまだ自信というものが培ってない。 ぶっつけ本番。 それが実を結ぶほど夏の大会は甘くない。