グローブは見当たらず、野球部に入部するのに野球道具を持ってこないで掃除道具を用意してくるなんて前代未聞だ。 よく見るとスクールバックの中に掃除道具とは異質なものがあった。 それは三枚ほどの透明なビニール袋で厳重に包んだ茶色い箱。 筆記体の英語の表記やおしゃれな厚紙の箱から、お菓子ということは見た目でわかった。 なんのお菓子だろう?と考える前に水原の自慢気な微笑を見て、正直イラッとした。 「準備万端だな。なぁ、部室を掃除してもらおうぜ」 ゴリに促され、水原の好意に甘えるしかない。