白髪のオールバックがトレードマークで、安物の整髪料を使っているせいか、鼻を威嚇するようなキツイ臭いで生徒達はあまり寄り付かない。 「あの~先生」 おれは失礼と思いながら、できるだけ呼吸数を減らすことを心がける。 「おっ、北島じゃないか」 声をかけられたのがうれしいのか、松永先生はクルッと椅子を回転させて振り向く。 「先生はグラウンドの外にお地蔵さんがあることをご存知ですか?」 「お地蔵?……牧場の敷地内にあるのか?」 松永先生は度のきつそうなメガネを人差し指で持ち上げる。