ライトの守備位置に就いていた水原が一緒に行きたそうな顔をして、待ちきれずに動き出す。 ゴリはこちらを見てコソ泥のような足取りの水原に気づいていたが、おれが小刻みに手を振って“気にするな”とサインを送るとノックを始めた。 2メートルの高さがある外野フェンスを登って、元牧草地に足を着ける。 「おまえも見たのか?」 おれが水原に訊く。 「いえ、でも、人の気配を背中に感じました」 「しっ!気づかれたらおしまいです」 三浦がおれと水原の会話を人差し指一本で制止させる。