「幽霊なんか気にせず、共南打線を抑えることに集中してくれよ」 おれは水原に向かって言った。 「は、は……い」 頼りない返事がかえってきておれは不安になる。 「水原が集中できないのは当然だと思います」 三浦は挑むような目でおれを見る。 この前は三浦に解決法を押し付けたところで会話を中断してしまったし、やっぱりおれがなんとかする以外に道はないようだ。 「わかった。数日以内になんとかしよう」 顔に説得力のない作り笑いを浮かべないように心がけた。