「でも、キャップテン。勝てる試合を幽霊や呪いで邪魔されたら悔いが残ります」 水原が泣きそうな顔をしてすがってくる。 「邪魔される?」 「試合前に誰かがケガしたり……」 「おい、おい、不吉なこと言うなよ」 「キャプテン……」 本気で泣くんじゃないか?というくらい水原の目に涙が浮かぶ。 「そんな迷信なんかで気持ちが負けるようじゃ、目の前の相手に立ち向かえないぞ」 おれは水原に喝を入れる。