水原は8割ぐらいのスピードでストレートを投げた。
バッティングを崩してしまう恐れがあるため、フリーバッティングでの投球フォームはオーバースロー以外を禁止にしている。
坂本は心地良いほどの金属音を残し、外野にするどい打球を運ぶ。
打つたびにバッティングってこんなに簡単なのか?と坂本は目からうろこ状態。
「大道さんも明日から同じ練習を繰り返してください。そのうち水原の全力の速球も打てるようになるはずです」
三浦に言われ、大道はいまからでもティーバッティングの練習を試したいという顔をしていたが、辺りは夕陽が傾いて影が長くなってきていた。



