6番サードの坂本と7番レフトの大道のフリーでは、三浦からなにも指示は出なかった。 二人の打球は内野手の前への弱いゴロしか飛ばず、凡打の山を築いていたのでアドバイスのしようがないのかもしれない。 しかし、違った。 「坂本さん、大道さん、すいません」 練習が終りかけたとき、三浦が二人を呼ぶ。 「お二人がなかなか良い打球を飛ばせないのには根本的な理由があります」 よくもまぁ、上級生にズケズケとはっきりものが言えるなと、頭を抱えながらおれも三人に近づく。