バトンクッキー



「すまん、原西。もう一球投げてくれないか」

 柳沢は球数を催促してバッテイングの楽しみを改めて知った様子。


「その間隔を忘れないでください」


「わかった」

 さっきまでの険悪な雰囲気はどこへいったんだ?と思うほど、二人の間には笑顔が交わされる。


 結果が出ると、こうも違うんだな。


 裏を返せば野球って怖いスポーツだと感じた。


 夏の予選で一回でも勝ちを味わえば、きっと野球部は変わるはず。