バトンクッキー



「バットを振るなというのか?」


「はい」


「おい、いい加減にしろよ!バットを振らないと練習にならないだろ。なんでおまえにそこまで指図されないといけないんだ」

 柳沢がバットを地面に叩きつける。


 恐れていたことが起ってしまった。


「バッティングを上達させたいのなら、ボクの言うことを聞いてください」

 三浦も少し熱くなっているのか、早口になっている。


 水原が慌てて三浦に近づき、おれも二人のところへ向かう。