バトンクッキー



「このノートのように夏の大会の対戦相手を丸裸にするから、練習しないでベンチに座らせてくれと言いたいのか?」


「そのとおりです」


「だったらマネージャーでもいいんじゃないか?」


「マネージャーは嫌です」


「どうしてだ?」


「背番号のついたユニフォームを着たいんです」

 小柄な男子がそう言ったときの顔は心なしか幼く見えた。


「おれはいいが、他の連中がなんて言うかな……」


「ボクが納得させます」