約束した十二時三十分までは、あと三十分。

(初めてってことを考慮して早めに準備したほうがいいだろ)

 そんな隼人くんの提案を素直に聞き入れ準備にとりかかる。
 本当に勝手が分からないからね。
 隼人くんの言うことを素直に聞くのが一番だろう。

 ベッドに腰掛ける。
 目の前に鏡をセット。
 他人に見られるのは凄く恥ずかしいが、初めての人間が一人で上手くできるとも思えない。
 とりあえず……ズボンを下ろす。
 青い色のトランクスのみの下半身。

……こんな男の人の姿さえ……生で見るのは初めてなんだけどなぁ。

 男兄弟がいない私にとってはお目にかかる機会がまるで無いものだ。
 お父さんも年頃の娘を気遣ってか家でこんな格好をすることも無いし……。
 彼氏なんて夢のまた夢の話だしねぇ。

――うう……コレって見るだけでも……キツイ。