予定よりも十分押しで行動。
 五分遅れたのは自分自身の責任だが……残り五分はカズちゃんのせいだ。

……のんびりと朝ご飯食べてるんじゃない!!

 ともあれ、バスに乗り込み駅に向かう。
 駅に着いたら電車で一駅だから……けっこうギリギリだ。
 改札が待ち合わせ場所だからホームからダッシュすれば真里より先に着けるかもしれない。
 というか、先に着いておきたい。

 だって、先に着いてないと一分でも遅れたらまた無駄にお説教をくらいそうだ。

 幸いバスは渋滞に巻き込まれることもなく予定通りに駅に到着。
 二日酔いで走れないと嘆くカズちゃんの手を強引に引っ張り、コンコースから駅のホームへの階段を駆け上る。
 現時点で時間は七時五十九分――。

――次の駅までの所要時間が大体四分ほどだったはずだから遅刻は確定だ。

 さて、どうやって言い訳するかだなぁ。
 まさかバカ正直に『朝ご飯に夢中になってて遅れた』とも言えないし。
 無難なところで『バスが渋滞に巻き込まれた』とでも言っておこうかな。