お祖父ちゃんの苦情に対して何も反論できない私。
 確かにお祖父ちゃんは熟睡状態だったし、カズちゃんを布団に招き入れたのは私だ。
 うん、『儀式』と同じような行動になってしまった責任の八割くらいは私のせいな気もする。

……ま、まあさ、この際誰が悪いなんて気にしても仕方ないじゃない?

 なってしまったものは仕方ないとしてこれからの事を前向きに考えましょうよ!

「と、ともかくよ! また『入れ替わりの儀式』をすれば元通りになれるのよね?」

 そう、さっきの話の中に解決策はすでに入っていたじゃない。
 今から実行すれば問題ナシ!
 さあ!カズちゃん!一緒の布団に入るわよ!!!

――と意気込んでみたのだけど。

 お祖父ちゃんから『待った』がかかった。
 え?何よ?何か問題でもあるの?

「もう満月の夜じゃないしの、それに――『入れ替わりの儀式』は本来、霊力を持った人間同士しか使えんのじゃよ」

……へ?どういうこと?

 だって、現に私とカズちゃんは入れ替わっちゃってるわよね?
 それって私も多少なりは霊力があったってことでしょ?
 ということは――残る問題は……。
 問題は……次の満月まで待たないといけないってこと!?
 それは困る、非常に困る。

 だって――夏休み終わっちゃうじゃん!