イニシャルはKK

[響吾side]

歌音が危ない。

「悪いけど、お前の相手してる場合じゃなくなった。
また連絡するな」

俺は伝票をひったくるように取るとレジへ向かった。

「お釣り、要りません」

捨てるように言うと、タクシー乗り場へと走った。

タクシーに乗り込もうとすると、隣りにはいつの間にか追いついた亜沙子がいた。

「私も行く」

「早く乗れ!
櫻花女子まで大至急」