最初に口を開いたのは響吾さんだった。

「この事は二人だけの秘密にして欲しい」

どういう意味?
何を秘密にするの?

「お兄ちゃんの事。
俺はお前との『これから』を大切にしていきたいと思ってる。
だから…
過去の事は俺たちだけの秘密。
誰にも言うな」

「うん…」

「誰にも、だぞ?
クルミちゃんにも、だ。いいな?」

「分かった…」

「よし、いい子だ」

響吾さんは私の頭を優しく撫でた。