「お兄ちゃんなの?」

いつの間にか私の目から涙が溢れていた。

「なんで? なんで迎えに来てくれなかったの?
私が待ってたって分かったのに、どうしてあの日、名乗ってくれなかったの?
ねぇ?なんで?なんでよ…」

私は響吾さんの胸を叩きながら泣いて訴えた。
響吾さんは何も言わず、ただ叩かれるがままだ。

しばらくそうしていると

「ごめん。俺が悪かった…」

呟くようにそう言うと、私をしっかり抱きしめた。

夢じゃない。
本当にお兄ちゃんに会えたんだ。
本当に本物のお兄ちゃんだ。