見えないお姫さま




中庭には木や花、緑が沢山ある。

これを全部一人で育てているのが彼。



確かさっき見た時はこの辺りにいたはず…。


けれどそこには人が居そうな気配はなかった。

あら?いないわ。



「誰かいませんかあ?」

………。

呼んでみても返事はない。

おかしいわね。

確かにここにいた筈なのに。

どこに行ってしまったのかしら?


ガサガサッ

彼を探してキョロキョロしていると、奥の隅の方から物音が聞こえた。


そこにいるの?



「重っ」

音のした方を見ていると、肥料の入った大きな袋を持った男性が木の影から現れた。

あっ、いた!