私は走ってそのまま中庭へ向かった。



頭が痛いなんて当然嘘。

本当に痛かったら大声も出せないし、走るのも無理だわ。



というか私。

滅多に頭なんか痛くならないもの。



あの彼と一度話してみたいと前から思っていた。


彼ならきっとこの退屈な毎日を変えてくれるわ。



階段を一気に駆け降り、渡り廊下に出たら中庭はすぐ隣。


中庭に出る事はあまり無いけれど、外の空気って大好き。

お城の中の冷たい空気と違って、暖かい日差しが心地いいから。



こんな場所に毎日いる彼が羨ましい。