「アイリ様!!」


私はいつものようにベッドで眠っていた。

いつもと違ったのは、ラナの大きな声で起こされたこと。


「うるさいわね。朝はもう少し静かに起こしなさいよ」


カーテンを開けてもいない薄暗い部屋にラナの荒い息遣いが聞こえた。

ラナは走ってここまで来たみたい。

何かあったのかしら?


「アイリ様!大変です!」

「どうしたのよ、そんなに息を切らして」

「あの庭師の方が!」

「え?ヴァンに何かあったの!?」


木から滑り落ちたのかしら?

枝切りばさみでどこか切ってしまったのかしら?

ヴァンがどうかしたの?


「王様に呼び出されました!」